スリランカには日本からたくさんの自動車が輸入されています。
業務用車両だと日本語の表示がそのまま書かれた古い車両もよく見かけます。
しかもトヨタ プリウスやアクア、ホンダ フィットなどのハイブリッド車の割合が大きい。日産リーフなどの電気自動車を見かけることも多くなってきました。
ウーバーを利用する際も、UberXだと半分くらいの確率でプリウスが配車されてきます。
(参考記事) 『コロンボでの移動は『ウーバー』が便利』
スリランカでの車の輸入関税
スリランカにはトヨタや日産などの正規販売店はありません。
新車として売られている車も、実は日本で一旦登録してすぐに登録抹消したものをスリランカに輸出しています。
いわゆる新古車です。
ちなみに現在はスリランカでは登録から3年以上経過した自動車の輸入は認められていません。
街を走る車が比較的新しいのはこのためです。
スリランカの輸入関税はシンプルで、
- 半製品原材料 ⇒5%
- 中間財・予備部品 ⇒15%
- 自動車および他の完成品 ⇒30%
- 国内で生産されない基幹的な製品、原材料、機械類 ⇒免税
の4区分しかありません。
自動車に対してはさらに物品税が課され、排気量別に税率が定められています。( )内はハイブリッド車の税率。
- 1000cc未満 ⇒150% (70%)
- 1000cc以上1500cc未満 ⇒160% (90%)
- 1500cc以上2000cc未満 ⇒160% (90%)
- 2000cc以上3000cc未満 ⇒220% (150%)
- 3000cc以上 ⇒250% (200%)
※2016年6月時点。タリフは頻繁に変更されています。
ハイブリッド車は優遇
ハイブリッド車は比較的安い物品税で輸入できるために、台数も多く走っているのです。
ちなみに2014年以前はハイブリッド車はもっと優遇されていました。
500cc以上2000cc未満では、ガソリン車が150%に対してハイブリッド車が50%。
さらに2013年以前にさかのぼると、ガソリン車が92%に対してハイブリッド車が14%でした。
年を追うごとにハイブリッド車の物品税のメリットが小さくなってきています。
ガソリン車とハイブリッド車の価格差が小さくなってきているというのも理由のひとつなのかもしれませんが、実態としては税収増を目指した結果と考えられます。
プリウスはいくらで買える?
ハイブリッド車の物品税が比較的安いとはいえ、仮に1800ccのトヨタプリウスを輸入すると、輸入関税の30%と物品税の90%が乗っかって計120%の価格上乗せ。
(写真出典) https://toyota.jp/
日本だとトヨタプリウス Sツーリングが、新車で260万円程度(税込み)で販売されています。
スリランカでは同じグレードのものが1年落ちでおよそ800万ルピー(590万円※)。
新古車だと900万ルピー(660万円※)で、日本の価格のおよそ2.5倍となります。
それでも買う人はたくさんいます。
「そんなに金持ちがたくさんいるのか?」
と思ってしまいますが、もともと税金が大きな割合を占めるので中古車になっても価格が落ちにくい。
リセールバリューが高いのです。
輸入関税が上がると中古車価格も上がるので、”投資みたいなものだ”というのがスリランカ人の考えのようです。
※2016年11月時点の為替で計算しています。1円=1.3615円
※本記事は別サイトに寄稿したものを編集して再投稿しています。