スリランカライフ

スリランカの物乞いと物盗りの微妙なライン

「先日、身なりのきちんとした老女と10歳ぐらいの男の子が我が家の前に立ち止まり、娘に話しかけていました。近所に住む人でただの挨拶かと思ったら、お金の要求をしていたようです。それを車の中にいた私に伝えるように言っているのです。」

 

施しの文化

インドに比較するとまだ少ないものの、スリランカでもいろんなところで物乞いを見かけます。

スリランカでは仏教の施しの文化が根付いており、富める人が貧しい人に分け与えるのは当たり前のことだと考えられているようです。

与える側からすると、その行為によって『徳を積む』ことができ、輪廻転生の結果の来世で幸福が得られる、ということで積極的な人は多いようです。

ウーバーに乗っていても、信号待ちで物乞いがやってくるとドライバーが20ルピー程度を渡す場面によく出くわします。

 

関連記事:コロンボでの移動は『ウーバー』が便利

 

ゴルフ場での盗難と施し

物乞いと関連付けていいかどうかわかりませんが、コロンボのゴルフ場ではプレイ中にゴルフバッグの中のものが盗られることが珍しくありません。ゴルフ場のスタッフも、ゴルフバッグの中には貴重品を入れないようにと注意をしているぐらいです。

プレイヤー1人につきキャディーが1人付くので、プレイ中はゴルフバッグは常にキャディーの手元にあります。

財布が丸ごと盗まれるとか新品のボールが全部盗まれるとかいうことは聞いたことがありませんが、財布の中のお札が1枚だけ抜かれているとか、ボール3つ入りの箱から1個だけ抜かれているということは頻発しています。

ある人によると、そこにも富める者は貧しい者に与えて当たり前だという考えがあるらしく、多くの場合は罪悪感を感じていないんだそうです。

 

アグレッシブな物乞い

ちょっと違った感じの物乞い?に遭遇したこともあります。身なりはいたって普通。仕事をしていても不思議ではない感じ。

歩いている私の方に猛然と走り寄ってきて、強い口調で言います。

「オレは病気でこれから病院に行かなければいけない。いくらでもいいから金をくれ!」

見た目は元気で切羽詰まった状況ではなさそうだし、スリランカの国立病院ではスリランカ人は医療費は無料だし、あまりに怪しいのでその場はやり過ごしました。

その日に別の日本人と話したところ、その人も別の場所で同じ人に遭遇したそうです。移動しながら外国人に手当たり次第に声をかけているのかもしれません。

物乞いはビジネス?!

スリランカ人の中にも物乞いに対して厳しい意見を言う人もいます。

「スリランカではお寺に行けば食べ物を恵んでもらえる。お寺に行かずに道路で物乞いをするのは、怠け者なのかもしくはビジネスと考えてやっている。」

本当のことはその立場になってみないとわからないところもあります。スリランカに暮らすからには、そういう境遇の人がいることを認識して社会システムを考えてみることは必要なのかもしれません。

 

モバイルバージョンを終了