スリランカに住むと、スリランカ人を雇用する機会も少なくありません。
事業者として労働者や警備員を雇う場合もあれば、自宅でハウスキーパーや運転手を雇う場合もあります。
そういうとき標準的な賃金相場を知り、雇う側も雇われる側も双方が納得することが大事。そうしないといつか問題が起こります。
最低日給は500ルピー
現在のスリランカの法定最低日給は500ルピー (約350円)です。
8時間労働が基準ですが30分の昼休みが含まれるので、実質は7時間半の労働となります。
週休1日、月26日勤務で単純計算すると月13,000ルピーになりますが、普通は月給だと15,000ルピー (約1万円) は要求されます。
事務所のお茶出しや、掃除の仕事がだいたいこれぐらいの相場です。
サラリーマンの給与
一般に新人の秘書や会計担当は月給20,000ルピー程度。工事現場のワーカーだと30,000ルピーほどになります。そこから経験を積むと40,000〜50,000ルピー程度まで昇給します。
また、大卒の課長クラスで実務経験が10年程度だと10万ルピーと言われます。
役人も基本給は安い
政府の役人(公務員)でも、基本給はそのレベルからそれほどは変わりません。
しかし、基本給以外に車のリース費用、通勤手当や雇用年金の積み立て、教育、住宅のサポートが付いて優遇されています。
事業者はもっと稼ぐ
しかし、普段日本人と関わりがあるような人たちは、その何倍も稼いでいます。
雇われる立場ではなくビジネスを自分で持てば話は別だからです。
例えば個人事業で車の修理を例にとると、1分20ルピー。1時間で最低日給の2倍以上を稼ぎます。
優秀なサラリーマンは副業で経営者として自分のビジネスをいくつも抱えている場合も少なくなく、そういう人は同年代の日本のサラリーマンよりもむしろ収入が多いと言われます。
個人で雇う場合の注意点
個人で雇う場合、信用保証があれば、少し多めに払って責任を感じて仕事をしてもらう方が結果的にはうまくいくと思います。
雇う立場としては、いつ辞められても平気、という態度で接する事を勧めます。辞められたら困るという雰囲気があると足元を見られます。
非常勤の場合は時給で 100〜200ルピーが妥当なようです。
それでも日本円で時給100円程度。意外と高いスリランカの物価を考えると、生活は楽ではないのです。
会社で雇う場合の注意点
日本を含めて外資系の会社が雇用者としてスリランカ人を雇う場合、労務関係のトラブルは多いと言われます。
スリランカ人と議論した事があるのですが、根本的な原因はやはり報酬にあるようです。
スリランカは賃金が安いからという理由で進出している場合も多いので、ローカル企業並みに賃金を抑制しがちです。ところが雇われる立場からすると、外資系企業ということでローカル企業よりももっと高い報酬を期待している場合が多いのです。このあたりの労使の認識の違いがトラブルを生みます。
また、スリランカでは一旦雇用してしまうと解雇するのはかなり大変です。最終的には何か月分余計に払うかという論争になり、合意できないと裁判になるケースもあります。正式に採用するときは慎重に!